KARACRIXシステムを使用して各種応用システムを構築運用するために、本章で説明する各種環 境設定を初めに行なって下さい。ここで設定した内容をシステムに反映させるには、KARACRIXを リセットするか、一度終了して、再度起動する必要があります。
システム環境メニューは、製品バージョンによって以下のように設定できる項目が異なりますの で、ご了承下さい。
(KaracrixBuilder-30S)
(KaracrixBuilder-200L)
(KaracrixBuilderPro-500R)
(KaracrixBuilder-100EB)
(KaracrixBuilder-100EG)
図16-1 システム環境メニュー
KARACRIXでは、監視、計測、制御の対象をオブジェクト として扱いますが、このオブジェクトのデータベースを作成する必要があります。オブジェクトデータベースの設定に関しては、「17章
オブジェクトの登録」を参照して下さい。
「システム環境メニュー」画面から“リモートユーザ”ボタンを選択して下さい。「Web/E-Mail ユーザ登録」画面を表示します。
ここでは、リモートからアクセスする場合の認証用の“ユーザ名”、“パスワード”を登録します。 “ユーザ名”欄、“パスワード”欄の1行めにはデフォルトの値が設定されています。ユーザ名、パ スワードの変更、追加、削除を行なうことができますので必要に応じて編集して下さい。
尚、本システムでは認証用に最低限1つのユーザ名、パスワードが必要になりますので、1行目 の設定は削除出来ない特別な扱いになっています。
図16-2 リモートユーザの登録
Eメール(電子メール)によるアクセスをするための設定を行ないます。「システム環境メニュー」
画面から“Eメール”ボタンを選択して下さい。「Eメール環境設定」画面を表示します。
KARACRIXでは、定期的に指定されたPOPサーバにメールの着信を確認する方式でメールを取り 込みます。また、オブジェクトの情報を返信するメールは、指定されたSMTPサーバに送信するこ とで行ないます。
インターネットやLANに直接アクセスできる場合には、ご利用のネットワーク内のメール管理 サーバ(POPサーバ、SMTPサーバが起動されているホスト)を利用します。
また、ダイアルアップでISP(インターネットサービスプロバイダ)に接続されている場合には、
ISP内のPOP、SMTPサーバを介してアクセスすることになりますので、メール送受信のイベントが
発生したタイミングでISPにダイアルアップする環境を用意する必要があります。例えば、ダイア
ルアップルータなどのオンデマンド機能を使用する必要があるでしょう。
図16-3 Eメールの環境設定
「Eメール環境設定」画面では、以下の項目を設定して下さい。1、2番の項目は状態表示を行な うエリアですので設定は行ないません。3〜10番の項目を設定します。
1.POPサーバ接続状態(状態表示のみ)
2.SMTPサーバ接続状態(状態表示のみ)
POP、SMTPサーバへのアクセス状態を表示します。表示内容の意味は以下の様になります。
stop
実行停止中
-
実行待機中
run
実行中
rcv:?
受信状況
snd:?
送信状況
wait:?
待ち状況
err:getservbyname エラー
err:gethostbyname エラー
err:socket
エラー
err:connect
エラー
3.メール受信間隔時間
POPサーバに、指定したアドレス名(8.自分のメールアドレス)宛てのメールの着信があるかど うか確認するインターバル時間を分単位で指定します。
“0”を指定するとPOPサーバへのアクセスを停止し、メールサービスも停止します。
※頻繁にPOPサーバにアクセスすると、ネットワークの負荷が高くなることがあります。また、 ダイアルアップ接続している場合には電話回線の接続課金に十分な注意が必要です。
4.POP名(services)
/etcディレクトリの、servicesファイルに記述されているPOPサービス名を指定します。
通常pop3ですが、popやpop-3等となっている場合もありますので確認して下さい。
5.smtp名(services)
/etcディレクトリの、servicesファイルに記述されているSMTPサービス名を指定します。
6.POPサーバ名
POPサーバ名を指定します。
7.SMTPサーバ名
SMTPサーバ名を指定します。
8.自分のメールアドレス
KARACRIXの監視対象になるメールアドレスを指定します。
ここで指定したメールアカウント宛てのメールをKARACRIXが読むことになりますので、 本システム専用のメールアカウントをご用意下さい。他のメールアカウントと共用した場合、KARACRIXは 受信したメールが解析できなければ廃棄してしまいますのでご注意下さい。
ここで設定したアドレスを付けて、Eメールの発信者に返信します。
9.E-Mailユーザ名
メールサーバの認証を受ける際のユーザ名を指定します。
10.E-Mailパスワード
メールサーバの認証を受ける際のパスワードを指定します。
画像記録機能を使用するために、はじめに画像記録方式の設定を行なって下さい。画像記録方式 には、以下の2つのモードが用意されていますので、 どちらかの画像記録モードを選択する必要があります。また、画像記録に使用できるディスクの空き容量を十分に検討して設定して下さい。
エンドレス記録
記録開始時刻から「画像記録条件設定」画面での記録条件に従って画像記録ファイルを生成しま す。記録画像が、保存期間を越えた時点で古い記録ファイルから上書きされてゆきます。この記録 動作を繰り返します。
ワンウェイ記録
記録開始時刻から「画像記録条件設定」画面での記録条件に従って画像記録ファイルを生成しま す。記録画像が、保存枚数を越えた時点で記録を終了します。
「システム環境メニュー」画面から、“画像記録方式”ボタンを押して「画像記録方式設定」画面 を表示します。
図16-4 画像記録方式設定画面
●記録実行状態
記録実行状態を以下の様に表示します。
実行中:記録中です。
終了中:記録が終了しています。(ワンウェイ記録)
停止中:記録していません。
図16-5 画像記録実行中の表示
●現ファイル使用容量(byte)
生成された画像記録ファイルの現時点での容量を表示します。
●記録オブジェクト名
記録するIMGオブジェクト名を選択します。ここで選択したIMGオブジェクトには、動画像入力 が割り当てられている必要があります。(「17章 オブジェクト登録」を参照)
●記録制限容量(byte)
画像記録に使用できる最大ディスク(ブレーク)容量を設定します。本項目の表示は、byte単 位になっていますが、入力ダイアログでは、Mbyte 単位で入力します。
例) 1Gbyte の入力する場合
入力値 -> 1000 (Mbyte)
●エンドレス記録ボタン
エンドレス記録する場合に選択します。
●ワンウェイ記録ボタン
ワンウェイ記録する場合に選択します。
図16-6 ネットワーク環境の設定
●IPアドレス
自分のIPアドレスを設定します。
●ネットワークマスク
ネットワークマスクを設定します。
●ネットワークアドレス
ネットワークアドレスを設定します。
●ブロードキャストアドレス
ブロードキャストアドレスを設定します。
●ゲートウェイアドレス
ゲートウェイアドレスを設定します。
●ネームサーバアドレス
ネームサーバアドレスを設定します。
また、ログファイルなどの削除を行なうことができます。
図16-7 ファイル管理画面
●ファイル名
KARACRIXのルートからのファイルパス名を表示します。
●サイズ/合計
上段には、ファイルの大きさがバイトで示されます。下段には、一覧の上部からのファイルの大 きさの合計が示されます。従って、最下位のファイルの下段に示されるものが KARACRIX の管理しているファイルの合計となります。
●モード/読込(a)
上段には、ファイルの許可モードが示されます。
下段には、ファイルが最後に読まれた時刻を示します。
モード: d--------- ディレクトリを表す
-r--------
owner 読取可を表す
--w-------
owner 書込可を表す
---x------
owner 実行可を表す
----rwx---
group を表す
-------rwx
other を表す
●書込(m)/属性(c)
上段には、ファイルが最後に書き込まれた時刻を示します。下段には、ファイルの属性を変更さ れた時刻を示します。
●Del
ファイルの削除可能属性を表示します。
* 削除できます。
- 削除できません。
本機能では、ログファイル類は削除可能ですが、それ以外はシステムに必須な設定ファイルであ るため削除できません。