KARACRIXをインストールする手順を説明します。ここでは、ログインしたアカウントのホーム
ディレクトリにインストールする例で説明します。
同時に、KARACRIXを動作させるために必要となるシェルの環境変数やシェルエイリアスの設定 も行なって下さい。
なお、場合によってはカーネルの再構築などが必要になる場合もありますのでご注意下さい。
■KaracrixBuilder-200Lの場合
配布メディアのCD-RはISO9660でフォーマットされています。このCD-Rには対応OSディストリ ビューションに合わせたKARACRIXシステム圧縮ファイルが1つ含まれています。
karacrix200L_vxxx_???.tgz (各OSディストリビューション用システム本体)
xxxは、バージョン番号です。例えばバージョンが2.31の場合は、xxx=231となります。
???は、各OSディストリビューションの識別記号です。
ここでは、使用するユーザのアカウントとして、ユーザ名が username、グループ名がgroupname が既に作成されているものとして説明します。
@使用するユーザのアカウントでログインします。
Aホームディレクトリに移ります。
% cd
あるいは
% cd ~username
Bpwdコマンドでホームディレクトリかどうかを確認して下さい。
% pwd
Cスーパーユーザーになります。(rootのパスワードを入力します)
% su
#
DCD-Rをドライブに入れてマウントします。(自動CDROMマウント設定時は省く)
■LINUXの場合
(Red Hat系の場合)
# mount -rt iso9660 /dev/cdrom /mnt/cdrom
(Slackware系の場合)
# mount -rt iso9660 /dev/cdrom /cdrom
■FreeBSDの場合
# mount -rt cd9660 /dev/cd0a /cdrom (SCSI接続のCD-ROMドライブのとき)
# mount -rt cd9660 /dev/wcd0c /cdrom (ATAPI接続のCD-ROMドライブのとき)
※マウントするデバイスファイル名[/dev/cdrom、/dev/hdb等]、マウントポイント名[/mnt/cdrom等]は、 各OSのマニュアルを参考にしてください。
EKARACRIXシステム圧縮ファイル名を確認します。
# ls /mnt/cdrom
あるいは
# ls /cdrom
Fファイルを解凍します。
■LINUXの場合
(Red Hat系の場合)
# tar xvfz /mnt/cdrom/karacrix200L_vxxx_???.tgz
(Slackware系の場合)
# tar xvfz /cdrom/karacrix200L_vxxx_???.tgz
■FreeBSDの場合
# tar xvfz /cdrom/karacrix200L_vxxx_???.tgz
※xxxは、バージョン番号、???は、OSディストリビューションの識別記号です。
解凍したディレクトリに、karacrix200Lのディレクトリが作成されます。
Gファイルの所有者を設定します。
# chown -R username:groupname karacrix200L
HCD-Rをアンマウントします。(自動CDROMマウント設定時は省く)
# umount /mnt/cdrom
あるいは
# umount /cdrom
Iスーパーユーザを解除します。
# exit
■KaracrixBuilderPro-500Rの場合
配布メディアとマウントについては、KaracrixBuilder-200Lと同様の手順になっています。
karacrix500R_vxxx_???.tgz (各OSディストリビューション用システム本体)
xxxは、バージョン番号です。例えばバージョンが2.31の場合は、xxx=231となります。
???は、各OSディストリビューションの識別記号です。
@’使用するユーザのアカウントでログインします。
A’ホームディレクトリに移ります。
B’pwdコマンドでホームディレクトリかどうかを確認して下さい。
C’スーパーユーザーになります。
D’CD-Rをドライブに入れてマウントします。(自動CDROMマウント設定時は省く)
E’KARACRIXシステム圧縮ファイル名を確認します。
Fファイルを解凍します。
■LINUXの場合
(Red Hat系の場合)
# tar xvfz /mnt/cdrom/karacrix500R_vxxx_???.tgz
(Slackware系の場合)
# tar xvfz /cdrom/karacrix500R_vxxx_???.tgz
■FreeBSDの場合
# tar xvfz /cdrom/karacrix500R_vxxx_???.tgz
※xxxは、バージョン番号、???は、OSディストリビューションの識別記号です。
Gファイルの所有者を設定します。
# chown -R username:groupname karacrix500R
H’CD-Rをアンマウントします。(自動CDROMマウント設定時は省く)
I’スーパーユーザを解除します。
環境変数LANG、KARACRIXPATH、KARACRIXTYPE の3種類を必ず設定して下さい。
LANGは日本語環境を、 KARACRIXPATHとKARACRIXTYPEはKARACRIXをインストールした場所を、実 行するKARACRIXに知らせる為に用います。
これらの環境変数は各シェルの初期読み込みファイル(.cshrcあるいは.bashrcと.bash_profile や.profileなどそれぞれ)に記述して下さい。
日本語ロケール名は、お使いの環境に合ったもの をご使用下さい。
例えば、ja_JP.eucJP、ja_JP.ujis、ja_JP.SJIS、ja_JP.EUCなどがあります。
※分からない場合には、OSの配布元から情報を得て下さい。
以下の説明では、ロケール名をja_JP.eucJPとしています。
(注:起動時の環境変数に起因するエラーは、「トラブルシューティング」をご覧下さい。)
●シェル初期読込みファイルへの追加内容
■KaracrixBuilder-200Lの場合
●シェルがcsh、tcsh系の場合 (.cshrc)
setenv LANG ja_JP.eucJP
setenv KARACRIXPATH ~username (あるいは setenv KARACRIXPATH $HOME )
setenv KARACRIXTYPE karacrix200L
●シェルがsh、bash系の場合(注:=の前後にスペースを入れてはいけません)
export LANG=ja_JP.eucJP
export KARACRIXPATH=~username (あるいは export KARACRIXPATH=$HOME )
export KARACRIXTYPE=karacrix200L
■KaracrixBuilderPro-500Rの場合
●シェルがcsh、tcsh系の場合 (.cshrc)
setenv LANG ja_JP.eucJP
setenv KARACRIXPATH ~username (あるいは setenv KARACRIXPATH $HOME )
setenv KARACRIXTYPE karacrix500R
●シェルがsh、bash系の場合(注:=の前後にスペースを入れてはいけません)
export LANG=ja_JP.eucJP
export KARACRIXPATH=~username (あるいは export KARACRIXPATH=$HOME )
export KARACRIXTYPE=karacrix500R
■確認
@上記の設定をシステムに反映させるため、ログインし直して下さい。
A再ログイン後、環境変数が正しく設定されているか以下のコマンドで確認して下さい。
% setenv (あるいは % env)
あるいは
% export
シェルに以下のエイリアス設定を行なっておくとKARACRIXの起動が簡単
になりますので参考にして下さい。これらのエイリアスは各シェルの 初期読み込みファイル(.cshrcあるいは.bashrcと.bash_profileや.profileなどそれぞれ)に記述して下さい。
●シェル初期読込みファイルへの追加内容
■KaracrixBuilder-200Lの場合
●シェルがcsh、tcsh系の場合 (.cshrc)
alias karacrix 団d ~/karacrix200L/sys/sbin; ./karacrix)B
●シェルがsh、bash系の場合(注:=の前後にスペースを入れてはいけません)
alias karacrix=団d ~/karacrix200L/sys/sbin; ./karacrix帳
■KaracrixBuilderPro-500Rの場合
●シェルがcsh、tcsh系の場合 (.cshrc)
alias karacrix 団d ~/karacrix500R/sys/sbin; ./karacrix)B
●シェルがsh、bash系の場合(注:=の前後にスペースを入れてはいけません)
alias karacrix=団d ~/karacrix500R/sys/sbin; ./karacrix)B
■確認
@上記の設定をシステムに反映させるため、ログインし直して下さい。
A再ログイン後、エイリアスが正しく設定されているか以下のコマンドで確認して下さい。
% alias
@カーネルの機能として共有メモリ、セマフォ が有効になっていない場合、有効にしてください。設定の方法は各OSのマニュアルをご覧ください。
デフォルトのセマフォ数が10のOSもありますのでご注意下さい。KaracrixBuilder-200L,KaracrixBuilderPro-500Rでは、共 有メモリを4個、合計それぞれ 3.1(500R)/1.8(200L)MB使用しており、セマフォキーを最低13(200L)/15(500R)個使用します。
A1ユーザあたりの使用可能な最大プロセス数 をできるだけ大きく取れるようOS環境を設定してください。デフォルトの最大プロセス数が64のOSもありますのでご注意ください。 KARACRIXはシステムプロセスとして24プロセス同時に起動します。さらに、制御プログラムや印刷プログ ラム1本当たり2プロセスが起動されますので、ご使用の製品バージョンで作成できるプログラ ム本数に合わせて環境設定を行なって下さい。カーネルの再構築を行なわなくても、limitコマ ンド(cshの場合)などでプロセス数を増やすこともできます。
% limit maxproc unlimited (csh、tcshの場合)
% ulimit -u unlimited (sh、bashの場合)
詳しくは各OSのマニュアルを参照して下さい。また、必要に応じてカーネルの再構築を行って
ください。
シリアルポート(RS232C等)を使って監視システムを構築する場合は、インストールするユー
ザアカウントからデバイスファイルを読み書きできるパーミッションが必要になります。変更方法
は各OSのマニュアルを参照して下さい。デバイスファイル名はつぎのとおりです。
(注:パーミッションに起因するエラーは、「トラブルシューティング」をご覧下さい。)
■LINUXの場合
/dev/cua0 (com0)
/dev/cua1 (com1)
■FreeBSDの場合
/dev/cuaa0 (com0)
/dev/cuaa1 (com1)
KARACRIXの印刷物はPostScript形式(level2)で出力されます。出力先はデフォルトでprintcap
のエントリ“lp”に出力するように設定されています。PostScriptプリンタをお持ちでない場合
は、GhostScript等を利用してお持ちのプリンタにあった形式に変換してください。出力先を変更
したり、出力時にオプションが必要な場合は、「付録G 印刷出力の変更」を参照ください。