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6章 短期トレンドグラフ/トレンドグラフ


オブジェクトのデータ値を時系列のグラフとして表示する機能がトレンドグラフです。オブジェ クトの性質によってサンプリング間隔を柔軟に設定することができます。

短期トレンドグラフ/トレンドグラフでは、メモリ上のリングバッファを使用してデータを取得 しますので、最大サンプリングデータの上限を超えますと、古いデータから上書きされます。

最小サンプリング間隔は1秒から、最大3600秒の間で自由に設定することができます。

6.1 データ収集条件の登録

(1)グラフ名称の登録

表示したいグラフの名称を登録します。「メインメニュー」画面から“短期トレンド”あるいは “トレンドグラフ”ボタンを選択して下さい。

「トレンドグラフ」画面の“グラフ名”欄の未登録のところ(何も表示されていない行)を選択 してグラフ名称を入力します。

図6-1 グラフ名称を決める

(2)オブジェクトの登録

(1)でグラフ名を登録した行の、“記録状態/登録オブジェクト一覧”欄を選択して、「グラフ記 録設定」画面を開きます。

表中の“ID名”、“オブジェクト名”、“種類”欄を選択してグラフ表示するオブジェクトを選択 します。1グラフ当たり8オブジェクトまでグラフ表示することができます。

データ収集中のときはこの操作はできませんので、“記録停止”ボタンを押してデータ収集を止 めてから登録します。

“備考”欄には、アナログオブジェクトが登録された場合に「オブジェクト登録」画面で設定し た上限値(H)および下限値(L)が表示されます。書式は、例えば

H=100.00 / L=0.00

のように表示されます。

図6-2 オブジェクトを登録する

(3)記録サンプリング時間の設定

「グラフ記録設定」画面の“記録サンプリング時間”欄に1〜3600秒までの間で収集時間間隔を 秒単位で設定します。

この設定の変更はデータ収集中はできませんので、変更する場合には“記録停止”ボタンを押し て収集を止めてから登録します。

図6-3 記録サンプリング時間の設定

(4)データ収集の開始と停止

(1)〜(3)までの設定を行なった後、「グラフ記録設定」画面の“記録開始”ボタンを押してデー タ収集を開始します。

“記録開始時刻”欄に記録を開始した時刻が表示されます。

また、データ収集の停止を行う場合には“記録停止”ボタンを押します。

“記録停止時刻”欄に記録を停止した時刻が表示されます。

図6-4 記録開始及び停止時刻の表示

(4)補足

ここでは、「グラフ記録設定」画面の補足事項を説明します。

図6-5 最大表示時間の計算

●記録メモリ数とは

「記録メモリ数」とは、「グラフ記録設定」で登録されたオブジェクトの、1オブジェクトに割り 当てられるデータ収集メモリの個数です。

この数はシステム固定値として定義されておりユーザは変更することができません。この数は現 在のところ1864(KaracrixBuilderPro-500R)、932(その他)固定となっています。

●最大表示時間とは

データ収集の行われる時間です。この値は「記録サンプリング時間」の値によって変わってきま す。もし「記録サンプリング時間」が1秒ならば、これに上述の「記録メモリ数」をかけると最大表示時間は、KaracrixBuilderPro-500Rの場合

1 × 1864 = 1864[秒]

すなわち、31分4秒となります。

同様に「記録サンプリング時間」が60秒ならば、

60 × 1864= 111840[秒]

で、31時間4分間まで記録可能となります。
 

6.2 グラフの描画

「トレンドグラフ」画面の“描画状態”欄を選択して、 「グラフ描画条件設定」画面を開きます。するとリストには「グラフ記録設定」画面で登録されたオブジェクトが表示されているはずです。

図6-6 グラフ描画条件設定

(1)表示上限値、下限値の設定

グラフに表示する値の範囲または、表示位置をオブジェクトごとに設定します。

●アナログオブジェクトの場合

描画する範囲の上限と下限を決めます。アナログオブジェクトの上下限値内で、表示範囲だけを 変えたい場合に指定します。上限値を“表示上限値”欄に、下限値を“表示下限値”欄に設定しま す。デフォルトでは、オブジェクト登録で設定された上下限値が設定されています。

図6-7 アナログオブジェクトの表示範囲(グラフ)

●バイナリオブジェクトの場合

グラフを描画する位置を指定します。描画できる位置は1〜10です。表示位置を“表示上限値” 欄に設定します。

図6-8バイナリオブジェクトの表示位置(グラフ)

(2)線色および線幅の設定

「グラフ描画条件設定」画面の“設定データ参考情報”欄を参照して、グラフとして描画する各 オブジェクトの線色および線幅を“線色”および“線幅”欄に数値で指定します。

図6-9 線色・線幅の設定

図6-10 設定データ参考情報

(3)表示倍率の選択

グラフの時間軸方向の表示倍率を変更することにより時間軸の表示データエリアを拡大すること ができます。データの表示区間を絞り込んで使用することで表示区間のトレンドをより詳しく解析 する場合などに便利な機能です。

最大表示期間をグラフの表示エリアの100%、200%の倍率に設定することができます。

「グラフ描画条件設定」画面の“表示領域倍率選択”ボタンを押すことにより表示倍率を選択し て下さい。

※保存済のデータ表示には有効ではありません。

図6-11 表示倍率の選択

(4)表示対象の決定

表示対象選択一覧からグラフ表示したいものを選択します。データを収集中のグラフを表示する 場合は“N”ボタンの現在計測データを選択します。

もし、すでに表示したデータが、「グラフ表示」画面でデータ保存(後述)されている場合には、 リストにデータ保存時間が表示されます。それらを表示する場合はこのリストから選択します。

選択すると“表示対象”欄に表示対象となるものが表示されます。

図6-12 グラフを表示

(5)グラフを表示

“グラフ表示(実行)”ボタンを押すとグラフ表示されます。
 

6.3 グラフの表示操作

グラフ描画画面では、グラフデータの情報を考察するために以下の機能が提供されています。

図6-13 グラフ描画

(1)グラフを時間方向にスクロールする

“グラフ移動”ボタンで時間軸(横軸)方向に表示エリアをスクロールします。

(2)計測線の利用

計測線とは、任意の時刻のグラフ上のデータを読むときに使用します。グラフ下の表の“現在値” 欄にはこの計測線とグラフの交点の値が表示されます。

計測線は、“計測線移動”ボタンにより時間軸方向に移動しますので、任意の時刻のデータを読 むことができます。

計測線の位置する時刻は“線時刻”欄に表示されます。

“現在”ボタンを押すと計測線がグラフ上の最新時刻位置に戻り、グラフも初期位置に戻ります。

(3)縦軸スケールの表示

縦軸のスケール値は、表エリアの“軸”欄に“*”がついているオブジェクトのスケールで表示 されます。表エリア内の任意のオブジェクトをクリックして選択するとそのオブジェクトのスケー ルに切り替わります。

(4)表示の中止

データ収集が行われている間は、グラフ表示が即時に行われますが、“表示中止要求”ボタンを 押すと、表示を一時的に中止することができます(計測は続いています)。もう一度ボタンを押す と描画を再開します。グラフの描画を止めてデータ値を正確に読みたい場合に使用します。

(5)表示グラフデータの保存

グラフに表示されているデータを、テキスト形式でファイルに保存することができます。

計測中の任意の時点で、“表示データ保存”ボタンを押して「グラフ描画条件設定」画面に戻っ てください。“表示対象選択一覧”の表の1〜5のいずれかの部分に保存した時刻の記録が表示さ れます。“表示対象”欄にこの記録を指定して“グラフ表示(実行)”ボタンを押すと保存したグラ フが描画されます。

保存できる数は5つまでで、それ以上保存した場合は古いものから順に上書きされてなくなりま す。

データは、トレンドファイルとして下記のディレクトリにテキスト形式で生成されます。

$KARACRIXTYPE/usr/tre ($KARACRIXTYPEは、設定されている環境変数)

トレンドファイルについての詳細は、「付録E」を参照して下さい。

[補足]

※不連続線について(データが途中で途切れている場合の表示)

図の点線部は時刻が不連続であることを示します。サンプリングを途中で止めた場合にこのよう な表示となります。

図6-14 計測データが不連続の場合



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